高血糖と低血糖のひらいクリニック

アクセス
内科/外科/糖尿病・内分泌内科/消化器内科/肛門内科/形成外科/ (予約優先) ひらいクリニック 大阪市中央区南船場3-2-6 大阪農林会館 B-1号室 TEL06-6125-5350 FAX06-6125-5351

ひらいクリニック

   外科OGTT脂質異常症甲状腺消化器総合診療科

医療を取り巻くお金の問題

 医療で誰でもわかるものが、初診料と再診料、薬代くらいでしょうか?それ以外に、加算だとか、指導料だとかわからないものが多いです。医者は医療に専念していると、そういうことも知らない場合が多いものです。ところが、保険診療では、そういうことも医者が理解して算定するように指導されます。

 わかりやすくするために、給料に置き換えて説明してみましょう。初診料や再診料というのは、基本給と同じです。基本的な料金です。加算や指導料というのは、手当てと同じだと思ってください。危険手当、役職手当など人によって追加でついてくるものが違います。病名によって違ってくるというわけです。なぜそういうものがあるかというと、給料と同じで、急に付けたり無くしたりしやすいからだと思います。医療では2年おきに保険点数の大幅見直しがあります。私たちが一番嫌いなものです。そのたびに、加算とか指導料の算定方法が変わったり、値段が変わったりして、慣れるまでは大騒ぎになります。患者さんもそうです。月が変わったら同じ薬なのに、急に値段が上がったり下がったりします。受付では、その説明にも終われます。

 では、なぜ2年おきに改定されるのでしょうか?日進月歩の医療の世界でも、2年ではさほど大きな変化はありません。専門医などの更新試験が、5年おきだということを考えても、5年のスパンでいいと考えられます。実は、医療の質や内容より、高騰する医療費を抑えるために、2年おきに見直されていると思います。

 では、医療機関にとってはどうでしょうか?借金やリースもほかの業種と同じように5年というのが一般的です。従業員の給料と、借金の返済のシュミレーションをして、これならいけると新しい機械を導入したりします。ところが、当てにしていた収入源が、あっさり2年おきに変えられてしまうのです。値段が高くなることはまずありませんので、結果は見えてますよね。。。どこも経営が苦しくなります。

 医療の業種はサービス業になります。そのことを知ってる方は、少ないですよね。サービスに対して、支払いをしていただいているんです。販売業ではないので、院内薬局にしていれば、薬の仕入れ値は、95%、そこになぜか消費税がついてきて、98%。薬を仕入れて、処方するということに対して、2%の利潤しかありません。袋詰めする人件費や薬の袋代は、処方量として、約500円になります。医薬分業を国が進めているので、仕方ないのですが、消費しているのは医療機関ではなくて、患者さんなのに、なぜ医療機関が消費税を払うのか不思議です。それに、2%の利潤であれば、一錠を破損してしまった。。。それだけで赤字になります。

  また、薬は薬価というもので、金額が決められているのですが、これが”銭”という単位がいまだに使われています。1錠が22円35銭とかです。それが10錠ならかける10にするのですが、円以下は切り捨てです。ふつう、四捨五入すると思うのですが、なぜか切り捨てなので、1錠なら利ザヤがあっても、10錠だと赤字になるような事態も出てきます。銭などという単位は、実際には使われていないのに、なぜ医療の現場にだけ残っているのでしょうね。

 医療の世界のお金の問題は、とても複雑で常識からかなり外れていると思います。そうすることで、何が特になるのでしょうか?いい医療を提供しようと思えば、会計もわかりやすいものであるべきです。現状では、会計をするだけで膨大な知識と処理が必要で、レストランのレジのようにはならないからです。実収入がいくらになるかも、本当に不明瞭な世界です。金額の高い検査ほど、利益はないのが通例です。ひどい場合は、病院の持ち出しになります。

 医療の金銭環境がこんなひどいものだと知っていましたか?

Comments are closed.