漢方薬の副作用について
漢方薬の副作用でわりと多いのは胃腸症状です。吐き気、食欲不振、もたれ、腹痛、下痢などです。地黄(ジオウ)、当帰(トウキ)、川きゅう(センキュウ)、山梔子(サンシシ)、大黄(ダイオウ)、芒硝(ボウショウ)などが配合される漢方薬でよくみられます。
一時的な吐き気や食欲不振は、ニガミや臭い、胃粘膜への刺激による反射性のものが多く、しだいに慣れてくるようです。慣れるまでは食後でもいいのかもしれません。
胃腸症状のほかはめったにありませんが、甘草(カンゾウ)という生薬により、浮腫(むくみ)を生じたり血圧が上がってしまうことがあります。とくに、これを多量に含む芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)を長期に服用している場合は注意が必要です
そのほか、人によってはアレルギー症状を起こすことがあります。発疹や肝機能の異常など、一般の薬と同様のことが起こる事があります。 きわめてまれですが、柴胡剤(サイコザイ)による重い間質性肺炎や肝障害も報告されています。
主な副作用
麻黄・・・ 動悸(ドキドキ)、不眠
大黄・・・ 腹痛、下痢、耐性(効きが悪くなる)、かえって便秘
芒硝・・・ 腹痛、下痢、浮腫(むくみ)
地黄・・・ 浮腫(むくみ)、血圧上昇附子・・・ 吐き気、ほてり、しびれ、発汗、動悸
柴胡・・・ アレルギー症状(発疹、肝機能異常、肝障害、間質性肺炎、膀胱炎など)
主な漢方薬の成分
葛根湯・・・・ 葛根 麻黄 桂枝 芍薬 甘草 大棗 生姜
芍薬甘草湯・・ 芍薬
甘草麦門冬湯・・・ 麦門冬 半夏 人参 大棗 甘草 粳米
小青竜湯・・・ 半夏 甘草 桂枝 五味子 細辛 芍薬 麻黄 乾姜
小柴胡湯・・・ 柴胡 黄芩 半夏 人参 甘草 大棗 生姜
大黄甘草湯・・ 大黄 甘草
大建中湯・・・ 乾姜 蜀椒 人参 膠飴