高血糖と低血糖のひらいクリニック

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ひらいクリニック

   外科OGTT脂質異常症甲状腺消化器総合診療科

漢方薬について

 漢方薬はいくつもの生薬を組み合わせて作られる薬です。”総合感冒薬”のようなものです。漢方薬は、数千年の年月をかけて、患者さんの症状に合った生薬の組み合わせを生み出しました。中国系の医学は中医学(チュウイガク)、朝鮮系の医学は東医学(トウイガ)とよばれ「漢方」という呼称は日本にだけしかないものです。日本の漢方は漢方常用処方解説 (高山 宏世編著 三考塾)に詳しく乗っています。処方量も決まっているのが漢方薬であって、それをどういった体質の方に使うかは漢方医の判断によります。日本では生薬を煎じてのむ伝統的な煎剤もありますが、煎じ薬を乾燥させてアルミパックに入れ、飲みやすくしたエキス剤(医療用漢方製剤)が保険が通っておりよく使われています。
 漢方薬の成分の多くは、腸内細菌によって、吸収されやすい形に変えられ、効果を表します。そのため、空腹時にのむほうが、食物に邪魔されないので効果を発揮します。食前2時間に服用してくださいとか言いますが、要は”おなかが減っているとき”に飲めばいいのです。また、もともと煎じ薬だったものを顆粒にしているので、白湯(さゆ)に溶かして飲んだほうが効果的です。飲みにくい場合はコップいっぱいの水と飲むとよいようです。”証”(体質)に合えば、苦い薬も美味しく飲めるそうなので、苦ければあってないのかもしれません。また、エキス剤は煎じ薬の半分の効果しか出ないとも言います。かといって、倍飲んでも効果は同じだそうです。
 漢方薬には2種類あります。体質改善薬と急性疾患に用いるものとです。急性疾患とは多くはかぜで、鼻炎、咳などに使うものもあります。葛根湯は有名ですが、症状がはっきりするまでの3日間しか効力を発揮しないと言われています。症状が出れば、症状にあわせて薬を変えなくてはなりません。便秘など慢性疾患に効くものもあります。漢方治療で体質改善する場合、まずは便秘の治療を行うそうです。体質改善の薬の副作用を利用して便秘も解消する方法もあります。ただし、この場合は”便秘薬”と勘違いしないようにしなくてはなりません。
基本的に合剤なので、何種類かの体質改善薬を併用することはおかしいかもしれません。セットで、初めて効力を発しますので、ばらばらに飲むのも理に反しています。
 附子や麻黄などを含んでいる漢方薬には、そのまま吸収される成分が入っていて、一般にそれらの作用は強く、ときに動悸や息切れなどの症状が出ることもあります。そして、これらを含んでいる薬は、胃酸により吸収が抑えられ、穏やかに作用するので、これまた胃酸の比較的多い、空腹時(食間や食前)にのんだほうがよいのです。    日本の漢方の特長は、生薬分量が少ないそうです。香港や台湾では、同名の処方でも日本の二倍から数倍の生薬が使われているそうです。また、日本で常用されている漢方処方のなかには、和方(ワホウ)とも呼ぶまったく独創的な優秀処方もあります。

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