高血糖と低血糖のひらいクリニック

アクセス
内科/外科/糖尿病・内分泌内科/消化器内科/肛門内科/形成外科/ (予約優先) ひらいクリニック 大阪市中央区南船場3-2-6 大阪農林会館 B-1号室 TEL06-6125-5350 FAX06-6125-5351

ひらいクリニック

   外科OGTT脂質異常症甲状腺消化器総合診療科

乳腺と肛門のはなし、聞いてみませんか?

 わたしの一番得意とるす分野が乳腺と肛門疾患です。よく後輩たちには、“これからは、ちちとけつやで”と冗談ぽく言っていました。乳腺と肛門というのは、外科以外の分野では意外と勉強されてきませんでした。内科の先生は、大腸内視鏡検査はできても、肛門鏡検査は嫌がります。おそらく、お尻に顔を近づけるのがいやなのだと思います。乳腺は、婦人科で見ているようですが、意外と知らないことが多いのです。乳がん自体を見たことがない先生が多いからかもしれません。

 医療の分野では、領域が重なっていることがよくあります。甲状腺の手術は、耳鼻科でも外科でも行っています。胃や大腸の内視鏡による手術は、外科でも内科でも行っています。開腹の手術になれば、外科しか無理ですが、今はなるべく小さい処置で終わらそうとしていますので、内視鏡を使って行う手術というようなものもあり、内科の先生がやっていることが多いようです。

 人間の体はつながっているので、科が違うと全くわからないということは、あり得ないと思います。ところが、乳腺に関しては、外科ではあまり興味を持たれる分野ではなかったので、外科の先生でも、乳腺はわからないという人が多くいます。外科に入る人というのは、胃や腸などの手術を覚えたくて入る人が多いので、乳腺という女性特有の臓器には、あまり興味がないのでしょう。一方、産婦人科に入る先生は、最初から女性の病気を扱おうと思っているので、乳腺に対しても、抵抗はないような気がします。

 どうして、乳腺は外科、子宮は婦人科にわかれたのでしょうか?確かにホルモン関係の治療は逆になります。でも、だからこそ同じ科で、見るべきだったのではないでしょうか?一つの原因として、婦人科の診察台があると思います。あれを入れると他にベットは入りませんよね。乳腺は、ベットの上にあおむけに寝てもらって診察しますので、全く別の診察室が必要になります。

 では、婦人科の診察は、どうしてああいった体位になったのでしょうか?普通のベットでは診察が出来ないのでしょうか?肛門疾患も、昔は婦人科と同じ体位を取っていました。特に手術の時には、開脚してもらう方が、操作がしやすいのです。でも、長い時間、あの体位を取ってもらうと、他に不具合も出るようになり、徐々に、シムス体位という方法に変わってきました。

 ところが、婦人科のほうは、あの体位を取るベットが、高価なものにどんどん変わっていますが、一向に体位を変えるということを考えていないようです。あの体位というのは、男性が考え出したものでしょう。男性が女性性器を観ることからあの考え方になった気がします。それで、女性が考えるとどうなるかを今婦人科の女医さんと考え始めています。わたしの考えでは、シムス体位を少し改良すればいいだけのような気がするからです。当然、妊婦さんには無理かもしれません。婦人科でも、病気になった方には無理かもしれませんが、検診だけでも、もう少し恥ずかしくない体位に変えていきたいと考えています。

 いまの医学が、男中心で考えられてきたから、こんな風になったと思います。大学病院ですら、不妊治療の人と、妊婦さん、がん治療の最中の人が同じ待合で待っていますし、病棟では、出産したての人の横で、今から子宮を取られてしまう人が寝かされているのです。本当におかしなことだと思います。女性は、恥ずかしかったから、こういった事実を声に出して言えなかったんだと思います。もう、言ってもいいのよ。わたしは、そう患者さんに話しています。

Comments are closed.