欧州糖尿病学会での発表
欧州糖尿病学会で、”糖尿病前症の患者への予防介入に最適なカットオフ値は空腹時血糖(FPG)値は100mg/dL、HbA1c値は6%である”という発表がありました。東京の大学です。2006年から前向きコーホート研究をされたようで、6000人以上の解析なので、かなり確実なものです。
ところが、これは特定検診と同じなのです。特定検診では、糖尿病になりやすい人を発見するために、基準値を下げていました。それがあってたと証明しただけでしょう。そしたら、どうしたらいいのか?もとから、血糖値とHbA1cの正常値の上限を100と6.0にしたらいいんじゃないでしょうか?
現に、特定検診で引っかかって、医療機関に行っても大したことないと帰されたという話をよく聞きます。検診の基準値の意味がわかっていない現場は、一般的な正常値の範疇だということで、追加検査もせずに帰すのです。
ここで大事なことは、糖負荷試験を行って、異常を引き出す必要があるということです。糖負荷試験では、ぶどう糖を使うので、糖質だけ非常に吸収が早い状況になります。それだけ、負荷をすることで、些細な異常を見つけるのです。
糖尿病のことを平安時代には“飲水病”と言ってたそうです。藤原道長という歴史上の人物は糖尿病だったようで、合併症などで悪化していく様子も記録に残っているようです。高血糖になるとやたら水を飲むので飲水病となっていたのでしょう。
私は、糖尿病という名前を変えるべきだと思っています。糖代謝障害と言えば、糖分が合わないというイメージがつくのではないでしょうか?成人病と言われていたものは今は生活習慣病です。高脂血症と呼ばれていたものは、脂質異常症。糖尿病と呼ばれるのが嫌な人のためにも、ダイアベティスとカタカナにしてもいいんじゃないでしょうか?