受診に同行してきました
昨日は、患者さんの転院に同行してきました。転院と言っても外来通院です。心臓の血管にステントと言う拡張するためのものを入れたので、後々のフォローをお願いしてきました。事前に地域連携から予約を取っていったのですが、予想以上に待たされました。具合の悪い患者さんを連れているわけで、少し心配になりました。患者さんの受診の同行は、3週続けて行いました。別の患者さんで、3人とも、疑問を持っていたので直接医者に話が聞きたかったのです。また、経過が長くて複雑だったので、その説明もしたほうがいいと思ったからです。
昨日は、ステントを入れてから高血圧になったため、ステントが原因になってるのかどうか、起立性低血圧があるため、高血圧のコントロールに苦慮していること、心不全の評価をどうしていけばいいかなどを質問してきました。すべてで解決策が見つかったわけではありませんが、投薬の若干の変更を提案され、その理由もわかったので、よかったと思います。
患者さんの受診につきあって、いろんなことが見えてきたので、そのことも病院へフィードバックしようと思います。患者になってみないとわからないことは、たくさんありますから。かなり長く待っていたために、私自身ものどが渇きましたが、患者さんも血圧が下がっていましたので、検査終了とともに、飲み物を飲んでもらいました。強化インシュリン療法から、2段階のステップで、インクレチン関連薬の注射薬単独に持ち込んだので、多少の甘いものが大丈夫になったことも知ってもらいました。
インクレチン関連薬のすごいところは、高血糖の時だけ効果が出て、低血糖を起こさないことです。糖尿病の薬はどれでも低血糖を起こす可能性があるので、患者さんたちは、常に飴玉かブドウ糖を持ち歩いています。インシュリンを打ってる人は、もっと低血糖が怖いわけで、それが外出制限にもなったりします。一度、温泉の脱衣室で、意識がなくなった方を見たことがあります。救急車を呼んで、同行者が見つかったので、インシュリンを打ってるとわかり、砂糖水を飲ませることで回復しましたが、一見してインシュリンを打ってるかどうかはわからないので、こういった場合は大変なことです。
低血糖が長引いたために、意識が戻らなくなった方も見たことがあります。それほど血糖と言うものは怖いものなのです。低血糖は、血圧上昇にもつながります。血圧ばかりに気を取られていると、その裏に隠れている低血糖を見逃すことだってあるんです。
昨日の患者さんは、往診にピリオドがつきました。今日から、別の患者さんの往診に出かけます。ひとりひとりに合った治療をしようと思えば、一歩ずつやっていくしかないのです。