最近、はまった本。。。。
女医裏物語 神 薫 文芸春秋
脳外科の友人に本をいただいたんです。面白いから読んでみろって。普段、小説などほとんど読まないのですが、一気に読んでしまいました。言いたくても言えなかったようなことが、たくさん書かれてありました。
さっそくクリニックにもっていくと、すぐに一人はまってしまいました。地方にいる後輩の女医に薦めると、早速購入したようです。
書かれている内容は、医学生の時のことと研修医の時の話がほとんどなので、私にはピンときませんでした。もう、忘れてしまっているのかもしれませんが。。。。残念なことは、この女医はもう仕事はしていないようなのです。眼科だったようなので、外科の私から言わせれば、まだまだ甘いって感じでした。
面白い話は、いっぱいあったと思います。外科病棟の当直室から、女性もののパンツが出てきて、私に罪が着せられたことがあります。確かに当直していましたが、白衣のままで寝ているわけで、パンツ脱ぐわけがありません。おまけに、2段ベットで、上には先輩の男性医師が寝ているのにです。シャワーはありましたが、気持ち悪いので入ったこともありません。
女医当直室というのが、全科で一カ所あったんです。救命救急の裏です。外科病棟は8階だったし4階で、しかもエレベーターからかなり離れている当直室は、使い物になりませんでした。それで、わたしは外科病棟の当直室で、先輩ドクターと一緒に寝ていたのです。しょうもない電話も多かったので、電話を取る後輩のほうが下の段で寝ていました。
救命救急にいたころは、2段ベットではなく普通のベットが、ツインで並べられていました。そこでも同じように寝泊まりしていたのですが、そのことを救命の部長が、結婚式のスピーチで”ベットを共にしていた”と表現しちゃったのです。まさか、ベットを共にはしていませんし、親の前で何を言うんだと思いました。その時の文句は、まだ部長には言えていないのですけどね。。。。
医者の世界は、男尊女卑が強い世界で、外科はなおのことひどかったです。更衣室なんてなかったので、いつもトイレで着替えていましたし、男性の医者は医局でしゃべりながらパンツ一丁になって着替えてくれていました。私が、女性だということを忘れるんでしょうね。
20年ぶりに女医が入局してきた時も、大騒ぎでした。後輩から、当直の時はどうされていました?と聞かれたので、病棟の当直室で寝ていたよと話したからです。”おまえが余計なことを言うから、彼女病棟の当直室で寝るって言ってるぞ”としかられました。私、ずっとそうしてたんですけど。。。っていいましたけどね。忘れるんですよね。女医だということを。。。
非常勤だということも、よく忘れられていました。10年間も開業医と並行して大学勤務をして、常勤ができないことを手伝っていたのです。しょっちゅう大学にいるから、常勤と間違われて、何かと言ってこられました。その都度、”常勤じゃないんですけど”っていいましたけど。週4日は行ってましたから、常勤にしてやると言われたこともあります。”結構です、自由にしてたいので”と断りました。一度はある有名な病院の部長で行ってくれと言われました。人事で、重要なポジションで、適任の女医が大阪にはいなかったそうです。これまた断りました。”開業医なんですけど”。。。。なんでも、忘れてしまうんですよね。
最近は、婦人科関係の仕事を多くするようになったので、婦人科の医者と間違われることも多くなりました。その都度いいます。”外科なんですけど”。。。元外科医じゃなくて、今も手術してるので、現役の外科なんですけどって。。。。
でも、本当は救命救急が専門なんですよ。救命の現場に戻りたい。後輩にもそう話しています。後輩からは、先生はドクターカー向きだと言われて、是非救命の現場に戻ってくださいと言ってもらっています。いくつか講習を受けないとなりませんが、ぼちぼち準備しようと思っています。もともと、救命志望だったから、原点に戻りだしているってことですよね。
でも、本当はミュージシャンが本職で、医者は副業だと言ってるんですよ。自分では、そう思っています。