盲腸の診断はCTではできないと思います
盲腸(医学的には虫垂炎)の診断はCTではできないのになあって思った症例がありました。婦人科の先生からの相談だったのですが、腸の炎症ではないと回ってきた患者さんに炎症を抑えるために抗生物質を投与していて炎症が収まった後で、虫垂炎の穿孔を起こしたそうです。
虫垂炎は穿孔を起こすと痛みがなくなるので、発見するのが遅れる場合があります。時間とともに腹膜炎となるので、熱が上がり腹痛は腹部全体となり炎症反応が上がってくるのでわかるものですが。相談された症例では、抗生物質投与で炎症が収まって、腫れていた虫垂壁の腫れが収まることにより破裂が起きたのだと思います。
こういったケースで問題なのは、婦人科に回る前に、外科でCTから腸の炎症はないと断定していることです。CTでは胃や腸の細かい状況はわからないし、虫垂炎は診断できないでしょう。腹部エコーで診断がつく場合がありますが、腕のいい検査技師じゃないと無理です。では、どうしたらわかるのか。。。。おなかの触診をすればいいだけの話です。研修医が最初に習う内容です。
画像診断が進んで、患者さんを触らない医者が増えたと思います。その弊害がこういったところに出てきているんだと思います。