すごい薬が出るようです
8月にシップのような添付薬が出ます。腰痛症や変形性関節症に効果があるのですが、鎮痛剤ではなくて向精神薬です。
実は、痛みというのはとてもしつこいもので、鎮痛剤すら効かないものもあります。その場合、精神病の病名をつけて、精神科の薬を処方していたのです。医者が読む本などには、鎮痛剤が効かなければ、向精神薬を出しなさいと書かれているのに、精神科の病気ではないのに精神科の病名をつけなければ、今まで処方できなかったのです。
この、向精神薬も効かなければ、次のステップは麻薬になります。単なる変形性関節症の痛みであっても、ひどい場合はそうなるのです。麻薬というのは、がんの痛みにはよくつかわれます。麻薬を使ったらもう最後だと思うかもしれませんが、そうではありません。使い方によっては、痛みを感じなくなり快適な生活を送ることができるようになります。
本来の病名ではない病名をつけないと処方できない薬は、結構あります。病名とは、厚労省が添付文書に乗せてもいいと許可されたものしか使えないのです。理論的には、別の病気に聞くとわかっていても、臨床実験などで、たくさんの症例を集めないと、認めてはもらえません。
病名と言えば、生命保険がらみでおかしなことがあるようです。よく、がんが心配だという人には胃がん疑いなどと書いて、腫瘍マーカーを測ったりします。腫瘍マーカーは早期がんの発見には適さないので、あまり意味はないのですが、心配している人にとっては手軽に受けられる検査なので、いいと思っていました。
ところが、生命保険は、そのがん疑いの病名まで、調べだしているようです。本当にがんだと思ってつけるわけではない場合が多いので、これは大変なことですよ。保険がきけば安くなるからと患者さんは求めますが、もうしないほうがよさそうですね。些細な金額のことで、大切な生命保険や入院費の補助が出なくなったら大変です。
ある先生に聞いたのですが、10年前のことまで調べに来たようです。医療機関の情報保持期間は5年なので、10年前なら無視してもいいんですけどね。。。電子カルテになるとそうはいかなくなる可能性も出てきます。また、大学病院などはずっと残してあるので、気をつけないといけません。
生命保険会社というのは、保険金を払いたくないことが基本なので、そのことを知るべきでしょうね。定年を過ぎて満額もらったとしても、支払った額より少ないものです。安心のために入っておくといいますが、安心はできないと思います。すでに、日本の生命保険会社は、経営が危なくなってきていると感じるからです。ある仕事に協力してそのこともわかったのですが。。。。
これからは、患者さんにはなるべく自費で受けるように話しようと思います。保険がきくことがいいことではないことは、広く知ってもらわないとならないことだと思います。