延命拒否の難しさ
延命処置を拒否している患者さんを診ました。でも、救急で運ばれたときにはラリンゲルチューブが入っていて、人工呼吸が始まっていたのです。
救急隊は、家族にチューブを使う了解を取ったそうです。家族は、人工呼吸器には乗せないでほしいという意向で、出来る限りのことはしてほしいとのことだったそうです。
ところが、チューブを挿入した時点で、人工呼吸は人の手で行われるわけで、機械でやるか人の手でやるかだけの違いになってしまったのです。
出来る限りのことはするというのはどこまでをさすのかも難しいことです。医療の現場では救命処置をするので、ありとあらゆることが含まれてきます。
ところが、施設では点滴ぐらいしか無理なので、できるかぎりの範囲がまったく違うわけです。延命拒否をする場合、救急搬送するかどうかで、まったく内容が変わってきてしまうってことです。