糖尿病ガイドライン
Posted on: 水曜日, 10月 3rd, 2012 in: クリニックより新しいものが出ています。2012年版で700円。糖尿病治療ガイドという名称で、文光堂から出ています。一般の方でも買えると思います。これを読んでいて、バイト先の院長とおかしいねと話しています。血糖値のことばかり触れていて、インスリンのことが全く書かれていません。院長も、昔のように糖負荷試験で、インスリンも測らないとだめだよと言います。
糖尿病型と診断してから、同じ結果が再度得られたら初めて糖尿病と診断すると書いてあります。糖尿病の診断にも時間がかかるわけです。おかしいと思ったのは、糖尿病型と診断した時点で、糖尿病の合併症が既にあることが多いから、合併症の検査もしなくてはならないように書いてあったことです。
まだ、糖尿病という診断まで行ってない時点で、合併症が多くあるって、変だと思いませんか?合併症などが出る前に診断すべきなのではないでしょうか?境界型でも、血管系の障害はすでに始まっており、糖尿病と同じ状況だというのなら、境界型も糖尿病とすべきなのではないでしょうか?
糖尿病治療で一番大事なのは、合併症をいかに出さないかです。それなら、合併症が起きる前の早期発見が重要ではないでしょうか?糖尿病は、治る病気ではないとも書かれています。治らなくなる段階で診断しているからではないですか?治らないなんて聞かされたら、患者さんはとても悲しがるし、治らないならと治療を拒むようになってしまいます。
糖尿病にはいろんな段階があります。インスリンの分泌が遅れて行って、過剰分泌されて、インスリンが効かなくなって初めて食後血糖が上がりだして、インスリンが効かない状況になり、基礎分泌まで減ってきて初めて空腹時血糖が上がり始めます。その後、血糖のコントロールが悪くて、腎障害を起こしだすと尿たんぱくが増えてきて、その尿たんぱくで腎臓がますます障害されますから、食事はたんぱく制限と減塩が厳しくなり、糖尿病食とは全く逆のものになります。むくみがひどくなり、利尿剤で調整ができなくなって初めて透析です。でも、透析になるともっと食事制限が強くなるんです。
これだけの段階があるのに、糖尿病という一つの病名でいいのでしょうか?糖尿病には、可逆の時期があります。治せる時期があるんです。糖尿病になってしまっても、再び自分のインスリンが出るようにもできます。治せる病気だと思いますよ。糖尿病になりやすい体質があるのかどうか、今の食生活を続けると糖尿病になりやすいのかどうかを患者さんに教えることが重要だと思います。
ガイドラインは、長くても5年おきに改定されます。糖尿病については、もっと頻繁に改定されていると思います。ガイドラインには、最新の情報は載っていません。マグネシウムの摂取量が多いと糖尿病になりにくいという情報が出ましたが、それなら痔を持っている人は、酸化マグネシウムを飲んでいるので、糖尿病になりにくいのでしょうか?まだまだ、わからないことだらけです。